ADC1 では UI をテーマに昔のアイディアに基づいたアプリを作っていましたが、ADC2 では開発者として得たスキルと経験から実用性を重視するアプリを開発することにしました。
スマートフォンが高機能化する中で、Web ブラウザに関しては、読み込みに時間がかかる上に、使用中に画面が占有されてしまい他の事が出来ないという状況に問題を感じていました。
また、Web サイト上では必要とする情報がその一部であったり、RSS のような情報そのものよりもサイトを切り出すことで、色々なサイトの情報をコックピットのように一度に直感的に確認できないものかというイメージがありました。
当時は通常のアプリ(Activity)によりる試作から始め、複数のWebサイトを一画面で表示するテストから行っていました。
それから間もなくして Android Market の立ち上げの話があり、MyCloset の実機上でのチューニング作業、オープンしてからの連続したアプリ開発という時期を迎え、しばらくこの件はサスペンドさせていました。
その後
ADC2 の開催が当初予定より遅れ
AppWidget の仕組みが入り
日本国内で HT-03A が発売され日常的に試すことができる環境が整った
ということから Web Clip Widget が生まれました。
Web のキャプチャ表示は PC で実現するのは比較的簡単で、自動キャプチャなどの発想も古くからあるわけですが、携帯で実現するとなると今までは難しく、まさに Android の特徴を活かすことで実現できた機能と言えます。
内容に関しては Market に出しているバージョンの方を分かり易く紹介して頂いたページがありますので、そちらをご覧いただければと思います。(ありがとうございます!)
http://octoba.net/archives/20091110-web-clip-widget-trial-edition-android-216.html
例えば、私は下記のように使っています。

左上は天気、その下は東京アメッシュ、さらにその下に4つ並んでいるのは、左から ADC2 のアクセスログの一部、Gmailの最新部分、Voice Recorder のアプリランキング、乗り換え案内(駅名固定で時刻は指定せず次の電車を表示させています)というような感じです。
アプリランキングは今まで PC で時々チェックしていましたが、今は Web Clip Widget のみで済んでいます。
ロックを解除するだけで最新の情報が得られる操作導線上での情報取得の手軽さ(私は docomo を使ってますが、iメニューやiチャンネルより全然便利です)乗り換え案内などの情報更新は歩きながらでもワンタップで自然に使え、他のホーム画面に別のクリップを載せておくことであるページを更新している間に他の情報をチェックする、ということが実現できるようになりました。
(※ただし、あまり貼り過ぎると時々ホームアプリが重くなります)
Android (携帯)としては、更新時にはバックグラウンドでページを取得しレンダリングしてキャプチャするという、ある程度重たい処理をさせていることになりますので、何か問題が起こることもあると思います。その問題を差し引いてもメリットの方が大きいと思ってます。
今まで Android に限らず色々とアプリやサービスを作ってきましたが、ここまで自然と使い続けているものは初めてです。
個人的には Web Clip Widget によって HT-03A の価値が変わったと感じ、理想的な Webブラウザの形態だと思います。
実装では AppWidget の制限やバックグラウンドによる Web のキャプチャ処理などの実現や調整に予定していたよりも時間がかかりました。
常にアプリ(Service)を常駐させることは避け、消費電力も抑えた設計になっています。(エラーで途中で止まった場合でも画面を一旦 OFF にすることでクリアしています)
設定からバッテリーの残量によって自動更新を止めることもできます。
ADC2 に提出する際にはぎりぎりまで Web Widget という名前にするか迷いましたが、アプリの機能を正確に伝えるために Clip という言葉を入れました。結果的に Web Widget というアプリも TOP200 に入っていたので Web Clip Widget にして良かったです。
(提出後に Mac OSX Leopard に Web Clip Widgets というものがあることを知りました。上述の通りPCと携帯ではその効果も実装方法も異なりますが、知っていたら別の名前にしていたかも知れません)
その後、Market にリリースしてみると、もっと大きいサイズが欲しい、自動更新間隔を短くというようなコメントが付きました。
サイズは元々は 2×1 と 1×1 しか無かったので、2×2 を追加し安した。更新間隔は電池の消耗も考慮し1時間が最短だったところに30分を追加しました。
Market へのリリースを機に、Webページとアプリを連携させた Web Clip の情報(サイト、切り出す位置大きさ)を共有するサービスも開始しています。


共有のための機能は ADC2 に提出したものにも入っているのですが、一部バグがあったため、こっそり ADC2 用のマニュアルに共有サイトのリンクを入れている程度になっています。
まだ色々と構想はありますが、とりあえず当初考えていたところまではできたかなと思ってます。



